2ntブログ

儀式

*「私の奴隷になりなさい」

**「ご主人様と呼ばせてください」

否。
セリフが違う。
本のタイトル通りにはいかない。





**「ご主人様の奴隷にしてください」


* 「土下座して言いなさい」
*「奴隷にして欲しいんだろう?お願いの仕方が違う。そんな女はいらない」


**「ご主人様の奴隷にしてください・・・・」










始まりは2週間前。
彼女は言いました。
「お願いがあります」


普段通りに交わった後、腕枕の中で言いました。
「前から言っていたこと、やっと決心がつきました」

  「そっか」

儀式の準備を始めることにしました。











確保したのはシティホテル。
汚いラブホテルなんかではかわいそうだ。
日比谷駅を降りてすぐ。綺麗なホテルを用意した。
待ち合わせの場所を告げると、彼女は驚いたような顔で言いました。


**「良いの・・・?」

*「もちろんだよ。大切な日だからね」














待ち合わせ場所にいた彼女は、いつになくおしゃれでかわいらしい格好をしていました。
遠くからこちらを見つけたようで、軽く小さく手を振っています。
少しはにかんだような笑顔が、期待と緊張と嬉しさを一つにしたような複雑な感情を表しています。

*「いい?」

**「うん」


最後の最後に意思を確認した言葉は、このやり取りだけ。
もう決めてきたのでしょう。
少しずつ表情から硬さが取れてきています。






















*「さあ準備をしようか」

**「うん、そうだね」


まるで料理でも始めるかのような軽いやり取りで、準備を始めます。
出てきたものは、2人の軽いやり取りからは想像できないような道具。
種類はそんなに多くなく、たったの4つ。

アングルワイダー

手枷

22Gの黒い注射針と注射器

ガーゼ


幾度となく目と目があい、無言のやり取りの中 “その” スペースを作る2人。


















*「シャワーを浴びておいで」

**「うん」

*「ゆっくりでいいからね。温まってきていいから」

**「分かった。ありがと」




























彼女がシャワーを浴びているうちに空調をあげて、部屋を少し暖かくする。
お風呂上りは身体が濡れて、寒いからね。
BGMも用意したものにして、軽く漂う程度。
カーテンはレースだけにして、室内には自然の明かりが入るようにしよう。























キスをするのはいつものこと。
優しく抱いて、髪の毛をなでてあげるのも、いつものこと。
そこから先は、いつもはやらないこと。


*「さあ、床に座って」
湯上りでバスタオルを巻いたまま、絨毯の上に敷いたバスタオルの上に座る彼女。



*「とるよ」
上気して少しピンクになった肌から、ゆっくりバスタオルを話していく。
そのバスタオルはお尻の下に入れ、正座をサポートするように折りたたんだ。


*「さあ始めようか」





少しの間のあと、彼女が口を開きました。

**「ご主人様の奴隷にしてください」























* 「土下座して言いなさい」





























*「奴隷にして欲しいんだろう?お願いの仕方が違う。そんな女はいらない」





























**「ご主人様の奴隷にしてください・・・・」

土下座のお手本になるような綺麗な形で、彼女は土下座をして言いました。
その肌の色と絨毯のエンジ色のコントラストが気持ちいい。
少し長い髪を耳の横できちんとピン留めしているため、頭を垂れても髪型は整ったまま。
お行儀がいい。

長く、短く、果たして時間はどれくらい過ぎたのでしょう。
彼女は絨毯に頭を擦り付けたまま、動きません。











*「・・・・・・」


































*「よく言えたね。じゃあ始めようか」

**「はい お願いします」
彼女はゆっくり顔をあげてから、そう言いました。






*「手を後ろに回して」
正座した彼女は、素直に両手を後ろに回す。
そこに装着されるのは、赤い手枷。
白い肌に赤い手枷が、コントラストで気持ちいい。

・・・・カチャ・・・・・カチャ・・・・




*「口を開けてごらん」
おずおずと開けた彼女の口に、丸く穴の開いたアングルワイダーを。
こちらの右手には持ち手の黒い注射針。針が銀色に鋭く光っている。
切れ味のいい新品。
そして彼女から事前に渡された、彼女が自分で選んだ装飾具。
シルバーを基調にして、少し赤の装飾が施されているもの。



*「始めるよ」
*「しゃぶりなさい」








不自由な手。
不自由な口。
不自由な体制。
えづきながら、少し涙を流しながら、彼女はしゃぶる。
自然光が差し込むホテルの部屋で、彼女はしゃぶる。
普段なら右手も使えたはずなのに、今日は使えない。
普段なら自由に身体を舐め回すのに、今日はそれもできない。
唯一動く口で、ゆっくりゆっくり。
部屋に響くのは、柔らかいBGM、時折むせ返る彼女の咳、わずかな粘膜がこすれる音。

不自由な体制の彼女の頭をつかみ、ゆっくりと見おろすと、彼女も顔をあげた。
目と目で意思を確認した後は、強めにつかんだ彼女の側頭部を、こちらの方へ引き寄せる。
引き寄せては離し、引き寄せて離し、奥の奥まで。
大きく、硬く、熱くなったものが彼女の口の中に出入りする。



*「苦しいね・・。奥まで入って苦しいね。」
かける言葉は優しく、施す行為は厳しく。
言っていることとやっていることは全く逆で、彼女の頭はまるで機械のように、こちらの下半身に近づいたり離れたり。





















*「そろそろいこうか」
十分に堪能し、十分に大きく、硬くなったものを彼女の口の中に入れたまま言う。







*「いくよ・・・」
右手で彼女の耳をつかみ、利き手である左手には注射針。
ねじり上げるように耳たぶをつかみ、引き上げて狙いを定める。
下半身では、彼女の舌が勃起を絶え間なく刺激している。


*「さあ、いくよ」
滅菌された袋を開け、取り出された注射針。
躊躇する暇もなく、考えるゆとりも持たせず、一気に貫く。
柔らかいような、硬いような不思議な感覚が左手に。
引き抜いたそれ、にはわずかに赤いもの。
引き抜いたそこ、からは赤いものが滴る。


“冷やさないでそのままやって”


お望みどおりに。
眼下を見ると、目を強くつぶり、痛みに耐える彼女の顔。
口の中には大きくなったペニス。
その瞬間も噛み千切らないように使った、アングルワイダー。
彼女の選んだ装飾具をつけ、ガーゼで押さえる。
耳たぶを押さえながら、再び腰を振る。
奥まで・・・・奥まで。
彼女の手は後ろ。
背中で手枷に拘束されたまま。
少し押さえた耳たぶ。
ガーゼを外し、そこを見る。
滲んでいる赤いもの。
ゆっくりペニスを引き抜き、彼女の顔を見る。
涙があふれ、ほほを伝っている。
耳からは赤いものが再び滴り落ちてきている。
透明と赤。
2つの液体が彼女から溢れている。
目と目を合わせ、ゆっくりと口から器具を外し、彼女の口を自由にする。
両手でほほをつかみ、一言。

*「よく頑張ったね」

涙を舐め、耳から滴る赤いものを舐め、口の中は塩と鉄の味。
そしてそのまま、柔らかいキス、優しいキス、濃厚なキス。

**「嬉しい」
手を拘束されて不自由な彼女が最初に言った一言。





*「さあ次だ」
優しい時間は一瞬で終わり。
彼女を乱暴にうつぶせにし、4つんばいにさせる。
突きだされたお尻は正座の跡がついていて、少し不格好。
そんなことはお構いなく、後ろ手に拘束された彼女に、バックから挿入。
驚いたことに、中は驚くほど熱く、驚くほど潤っていた。
動けない彼女は、苦しそうになりながらもペニスの快感に声を出し、BGMを掻き消していく。
自然光の差し込む都心のホテルの一室で交わる2人。





















やがて限界が訪れ、最後の最後は、引き抜いたペニスを彼女の口元へ。
まだ不自由な体勢の彼女にそれを押し付け、証しを思う存分放出する。
最初は口の中へ、途中からは顔に。
最後の1滴まで絞り出した後、先端を彼女の顔に何度も擦り付けて、塗り拡げる。
それが終わった後は、口の中に再度挿入する。
当然のように吸引し、舌で舐め清める彼女。

不格好な体勢に、歪み汚れた顔。

射精が終わったこちらは、そのままバスルームへ歩いて行った。






























よく頑張ったね。
バスルームでタオルをお湯に濡らし、顔を拭いてあげる。
拘束具を外し、手首を温めてあげる。
用意した氷で、耳を冷やしてあげる。

**「ありがとう」


溜めておいたお湯に入るよう彼女を促し、部屋の後片付けをする。












儀式は終わった。























戻ってきた。
*「今日はこれから、今までで一番愛し合うセックスをしよう」

テーマ : SM
ジャンル : アダルト

愛情フェラ




愛情フェラ。
その言葉を初めて聞いたのは、去年の12月だった。
一体なんだろう? どんなフェラチオなんだろう?
想像がつかなかったけど、率直な感想は “味わってみたい!” でした。


年明けのホテル。
セックスをするためだけに使うホテル。

鶯谷のラブホテル。
チンポが愛情と快感と幸せに包まれたのでした。


続く。

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