手、温かく。
最後の瞬間に、スッと触れた女の子の右手とぼくの左の手。
その手が繋がれることはなく、お互いを抱きしめ合うこともなく。身体を撫で合うでも性器を触り合うでもなく。
刹那に時間は過ぎ・・・時間は過ぎ・・・・・時間は過ぎ。
やがて、たなびく雲が霧散するように消えてなくなっていくのかな。
あの瞬間に、何をすれば良かったのか?
何もしなかったから今も続いているのか?
もう誰にも分からない。
2人にも分からないのか、こちらが分からないだけなのか。
いや、さあ始めよう。これからが始まり。
なのか?